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Kenny Burrell氏のフレーズご紹介

いつも佐津間純ウェブサイトおよびこの”いも日記”をご覧いただきありがとうございます。今回は憧れのギタリスト、ケニーバレル氏のフレーズをご紹介&考察的な記事を書いてみようと思います。

普段頭の中で考えていることを分かりやすく文章のみで解説することは、とても難しいと痛感します。相当玄人向けの解説になっていますが、ご容赦ください。

ある程度経験のある方は解説を理解して弾くも良し、解説を読んでもチンプンカンプンな方はただ見よう見まねで弾くだけでも良しです。どちらにせよ実際音源を聴きながらケニーさんのサウンドを感じながら見ていただくとより実感していただけると思います。

Kenny BurrellのPrestigeに1964年に録音した作品”Soul Call”。超愛聴版です。一般的にケニーバレルさんの作品の中で一番有名な作品は”Midnight Blue”という作品ではないかと思うんですが、私の中ではこの作品を勝手に第二の”Midnight Blue”と呼んでいます。録音した年代もメンバーも似ています。

その”Soul Call” CD版だけのボーナストラックなのでしょうか?7曲目に”Oh Henry”という曲があります。聴いているとやたらと耳につくフレーズがあったので取り上げてみることにしました。

曲はただの12小節のブルース(KeyはC)。

注目したのは最後の4小節【Dm7-G7-C7〜】という箇所のG7で弾かれるフレーズ。

☆1分16秒あたりのフレーズ…

G7の小節。解釈すると…b9,11,b13,11,#11,b13,b7,b9。それぞれテンションだったり、コードトーンとして解釈出来ますが、要するに1小節を2つに分けて(2拍づつ)AbトライアドとDbトライアド+9thと言う解釈も出来ます。

☆1分39秒あたりで同じフレーズが出てきます…

Dm7でのフレーズは違いますが、G7以降まったく同じフレーズです。
よっぽどこのフレーズが身体に染み付いているのでしょう。

チャーリーパーカーやバドパウエルに代表される典型的なビバップの語法と言えばそれまでなんですが…。このトラックに限らずケニーさんの演奏からはこのサウンドが良く聴こえてきます。ケニーさんはパーカーやバドを沢山コピーしたんでしょうね。

☆1分23秒あたりのF7へ向かうドミナントセブンであるC7(ブルースの進行上の4小節目)でも同じ考え方のフレーズが出てきます。C7を【DbトライアドとGbトライアド+(9th)】という感じで弾いています。

まとめると頭の中では…

□7(ドミナントセブンス)のコードに対して、そのルートの半音上(b9)をルートとしたトライアドと#11thをルートとしたトライアド&9thという音使いをしているということです。

※注:ただ、こういう解説をすると「これを利用して違うフレーズも作れます!」的な発想になりがちなのですが、僕の場合はあくまでも弾くことはコピーしたものをそのままで良いと思っています。そのフレーズを自分の身体に染み込ませるためにヒントとしてこういう思考をしています。だから安易にG7に対してAbトライアドとDbトライアドが弾けばなんでも良いと言うことではないと思っています。

料理をする際、きちんと必要な食材や調味料を集めても量や投入する順序が違うと美味しくなくなってしまう場合もありますよね。一流シェフのやり方を真似してみるんです。そんなイメージでしょうか?

そんなわけで、いろんなキーに応用してドミナント7thでこのフレーズを使いまくってみましょう♪かなりクールなサウンドだと思うのですが!

ちなみに…

このトラックには他にも魅力的な2-5-1のフレーズが沢山あって思わずコピーしてみましたのでご紹介しておきます(※運指は僕の独断と偏見で決定させてもらっていますのでご本人はどう弾いているのかは分かりません)!ぜひトライしてみて下さい。

☆1分05秒あたり…

ここでのG7のフレーズはアプローチノート(コードトーンに対してクロマティックでアプローチする音)を多用し、かつブルーノートスケール(Cmマイナーペンタ?)をちょっと混ぜているようなフレーズ…。と勝手に解釈しています。

☆1分28秒あたり…

ここでのG7はアプローチノートの嵐!C7に解決するおとが9thというのがまた粋であります。

余談…フレーズは何十回、何百回と練習しなければ身に付きません。ですからそんなに沢山のフレーズは覚えられませんし、覚える必要も無いと思います。気に入った一つのフレーズを大切に丁寧にコード進行と結びつけながらしっかりと覚えて百発百中で使えるように練習することをおすすめします。慣れて使えるようになって来たら次は別のキーでも弾けるようにしましょう。Fのブルースはよく演奏しますから(Gm7-C7-F7~)という進行でも弾けるようにしましょう。それが出来たら、Bb(Cm7-F7-Bb7~)…というような感じで♪ブルースだけでなくスタンダード曲の進行の中にも2−5−1は散々出てきます。そこでも百発百中で弾いてみましょう♪

そんなわけで、今日も楽しくジャズギターを弾きましょう!

Thank You Mr.Kenny Burrell!